自信を持って算命学を勉強するために:二つの世界を繋ぐもの

投稿者: | 2018年11月10日

二つの世界:東洋と西洋

これまで見てきた通り、節入り時刻(二十四節気のうち12ありますね)を西洋(現代社会)の暦で正しく得て、それを六十花甲子に当てはめる事で東洋系の占いを現代社会に持ち込むことが可能になります。

これは算命学をはじめ、東洋系の占いが宇宙と人間とが離れた存在ではないという老荘思想に陰陽五行を持ち込んだものだからです。

ここをないがしろにすると、算命学とはいえ「根も葉もない」「ただ統計的に当たっている」占いに堕してしまうでしょう。

ではなぜ二十四節気を西洋の暦の上で正しく得ることが重要なのでしょうか。それが意味するところは何なのでしょうか。

現代天文学における暦の算出方法

現代天文学でも東洋で「天文方」が観測していた時代と同様に二十四節気を割り出すのに太陽の視黄経での位置を用います。基本は観測に寄りますが、それでは過去のこと、未来のことは分かりませんね。

そこで現在知られている一般(特殊)相対性理論などを最大限に活用して各種天体の「位置や運動」の予測値を求めるわけです。

太陽の視黄経上の位置という物理量では地球と太陽しか現れませんが、その位置は他のあらゆる天体の効果を大なり小なり取り入れたものとなっています。

つまり宇宙から切り離された存在として「地球と太陽の運動」を見ているわけではないのです。むしろすべてが一つであるという老荘思想的な発想に近いものがあります。

そうやって得たものを天体暦としてアメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)が発表しています。かなり大規模な観測と解析とが必要な話です。そのデータは人工衛星や探査機を打ち上げる際に必要になるものですのでこういう団体が世界中の協力を得て作成しています。

我々東洋の人間はこの天体暦から地球と太陽の位置関係を得て、二十四節気、六十花甲子による暦を「西洋の暦」の中で得るわけです。

二つの世界(思想)が出会う場所が暦と言うことです。

ちなみにJPLの天体暦は時々の最新の観測結果、解析結果を反映し、数年に一度アップデートされています。彼らは昔でいう「天文方」ですね。

まとめ

西洋的、科学的世界観と東洋的、老荘思想的、陰陽五行的世界観と接続させるのが現代天文学を利用した暦であって、その科学的な原理には「すべてが繋がっている」という老荘思想的なものも含まれている事を述べました。

暦を大事に扱うことで算命学が東洋思想体系を科学万能の現代に甦らせられるという話でもあります。

こういう背景を知っていれば自信を持って算命学の勉強ができるのではないかと期待しています。

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