やや分かりにくくて誤解しやすい点

投稿者: | 2018年11月4日

誤解されているかも知れない点

算命学や四柱推命の書籍を当たっていて天文学と占いについて誤解しているのではないかと思われる記述に出くわしたことがあります。ちゃんとした書籍においてです。

次の二つが主なものです。

  1. 占いで用いる暦と天文学とは関係がない
    二十四節気を用いる占いは日常使っているグレゴリオ暦の上で立春などの節入りが何日の何時何分に当たるかを調べなくてはなりません。
    太陽の視黄経を調べることで二十四節気は分かるのですが、それを調べているのが天文学です。日本では国立天文台が発表する二十四節気をそのまま掲載していると思われる「開運暦」が多いです。
    つまり関係ないどころか大ありです。天体観測せずにどうやって二十四節気を得るのでしょうか。
  2. 誕生時刻の太陽の位置が重要である
    これは算命学の場合より四柱推命の方でよくある間違いです。重要なのは節入り時刻と誕生時刻の関係で、それによって星を選択する際に、蔵干深浅のどれを取るかが変わってくるので占いに差が出ます。(節入りから何日後、次節入りの何日前という値が変わります。)大運開始年齢もずれる場合があります。
    一旦、節入り時刻が分かったらそれで年月日の六十花甲子は決まるので、後はその枠組みの中で考慮を進めるだけです。
    つまり宇宙と人間とが一つであることを目に見える形で取り入れるのは節入り時刻を考慮するところで完了していることを忘れているわけですね。
    それで均時差も入れなくては「誕生日の太陽の位置が正しく得られない」などという議論になるわけです。問題の本質はそこではありません。
    もっとも四柱推命の方では次に述べる経度補正で誕生時刻に違い(時差)が出るので時柱をどう取るべきかが変わってしまうという問題が生じます。時差(その地点が地球上でどこに位置するか)と太陽の誕生時刻での位置(時角)とは別の物理量で、同列に比較する意味はありません。

経度補正について

前の項目で書きましたとおり、重要なのは節入り時刻と自分の誕生時刻との関係です。特に算命学の場合、中心星や東西の星が変わってしまうケースがあります。中央標準時を両方の時刻で採用すれば良いです。経度補正をする必要はありませんし、もし入れたとしても誕生時刻に経度補正を入れるなら節入り時刻にも経度補正を入れることになるので差し引きは同じということになるわけです。

四柱推命の方で時柱を取る際には誕生時刻のみに経度補正をすべきです。というか節入り時刻は時柱と関係ないですね。

大運開始年齢も以前書いたような図式で決まるので経度補正の影響は受けません。経度補正するなら節入り時刻にも誕生時刻にも入れるべきだからです。

時差に関して言えばグリニッジ標準時と日本標準時とは9時間違うわけで、それを考慮しなくていいなどという人はいません。ただグリニッジ標準時で命式を作るなら節入り時刻も誕生時刻もグリニッジ標準時で測るべきだという当たり前のことを言っているだけです。

命式その他の要素ができたら、年運などの後天運を調べる際には現地時間を利用するのが便利ですし、それが経度によってずれが大きいと感じるなら経度補正してもよいといったところでしょうか。

例えばアメリカで生まれたならアメリカでの節入り、誕生時刻で命式その他を算出し、今日本に引っ越してきたのなら年運などは日本標準時を使うというのが考えられるやり方ですね。

ただ国立天文台が公表している二十四節気の時刻は日本標準時でしかも分単位なので、それを考慮してあまり小さな補正ならいらないという判断ができると思います。要は常識的な判断で、ということではないでしょうか。

まとめ

繰り返すようですが、節入り時刻と誕生時刻を同じ基準で測ることが命式など個人の持つ要素を決定するのに重要です。

四柱推命の方では時柱を取るのに時差に経度補正をいれる必要もあるでしょうが、算命学の場合、経度補正を必要とするとしても後天運に限定されるでしょう。

ここを間違ってはいけません。

コメントを残す