節入り日時を知る方法:天体暦の利用

投稿者: | 2018年9月25日

天体暦について

最近、はやぶさ2のような観測機が成果を上げて話題になることが多くなってきました。こういった目的のためには宇宙の海図とでも言うべきものが必要です。

海図とは言ってもそれぞれの天体が動いているという事情を考慮してある時刻にこの物体はこの位置にあって、このような速度で動いているという「海図」になり、それを天体暦と呼ぶのです。

算命学では節入り日時を得るために地球と太陽の位置関係を知る必要があるという話をしてきました。その手段が天体暦です。

ジェット推進研究所の公開する天体暦

現在、誰でも利用できる天体暦のデータとしてアメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)が公開しているものがあります。前回のブログで節入り時刻を得ていましたが、それはここのデータを利用したものです。

算命学の場合、地球と月、太陽とその他の惑星について記載されたDE43x(xは数字)を利用します。JPLのftp://ssd.jpl.nasa.gov/pub/eph/という場所の/planets以下に掲載されています。JPLは同じ場所で他に/satelites(惑星よりは小さな天体) /small_bodies(小惑星など) /spacecraft(人が作ったもの)の3つのパターンの天体暦を公開しています。

天体暦を利用するために必要なこと

数値計算の分野では今でもそうなんですが、プログラミング言語は長い間FORTRANというものが主流でした。天文学の分野でも同じです。数値計算の一応用分野ですからね。

JPLの出す天体暦のデータを利用するためのプログラムはまずFORTRANで作られました。それをC言語やC++言語などの広く使われている言語へと移植していったわけです。LinuxやMac、Windowsではこういった移植されたものを使う方が簡単です。

簡単とは言ってもプログラムを書かないと太陽の視黄経は得られないのでどうしてもハードルは高くなりますね。

座標変換はLorenz変換という相対論を考慮したものでやらなくてはならないなどプログラミング言語に精通しているだけでは無理です。

本来、占いは暦を作成する部門と一体でやっていたはずなので「理系的素養」が必要なものだったでしょう。

算命学には出てきた命式の解釈をあれこれ考える人は多いと思いますが「宇宙と人間とが一体である」という根本思想に根ざして「天文学の成果」を取り込んでいこうという動きはあまり大きくないかも知れませんね。

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