地球自転の遅れ
前回の投稿: 暦と干支を対応させる方法においてユリウス日を使って現代の暦と干支を対応させる方法を書きました。
実際にはさらに補正項というものがあって、それはdelta Tと呼ばれるものです。概ね地球自転が少しずつ遅くなっていくことに対応して、一日の長さが変わっていくことを補正するためのものです。
これは過去の日食、月食などのデータを基本にして測定したもので、理論的に求めるものではありません。ただ、未来のことに関しては予測値となります。
そのデータは例によってNASAのページで公開されています。補間用の数式があり、それを使うのが普通です。それはPOLYNOMIAL EXPRESSIONS FOR DELTA T (ΔT)にまとめられています。西暦で言ってマイナス1999年から3000年までの5千年分が掲載されています。
ここにあるΔTを求めます。この値は秒単位なので、日単位に直すために1[day]/86400[s]を掛けてJDに加えます。
補正後JD = 補正前JD + ΔT/86400
となるわけです。実際の計算には補正後JDを使います。さらに日本時間で求めたければその分の差(+9時間/24)を加えることになります。
補正後の干支計算は同じです。
他にも比較的最近取り入れられ始めたうるう秒というものもあります。それについてはまた別途記載します。
実に細かい計算になるわけですが、数百億円を掛けるプロジェクトのための「海図」ですから、わずかなずれも見逃さない姿勢で取り組んでいると言うことですね。(日本語ではEphemerisを天体暦と訳しますが、天体の位置と速度の時系列データを記したものなのでむしろ海図と言った方がいいでしょう。)
他人の運命を占う占い師の先生方にも同じような使命感を期待するところです。