節入り時刻の影響が出るところー大運開始年齢
節入り時刻を考慮することで影響が出る可能性がある場所は陽占の東西と中央ですが、他に大運を考えるときの開始年齢(X歳運:Xは1から10)の値がずれることがあります。
もちろん毎月の切り替わりが節入り時刻ですからそれらを利用する「今月の占い」なども影響を受けますね。
年運大運の順逆
六十花甲子に番号を割り振っていきましたが、その番号と同じ順に年運大運を採る場合を順行、反対に採る人を逆行と言います。カレンダー通りの並びが順、その反対が逆、と言うことです。
男性なら年干が陽、つまり甲丙戊庚壬
女性なら年干が陰、つまり乙丁己辛癸
の場合が順行になり、
男性なら年干が陰、つまり乙丁己辛癸
女性なら年干が陽、つまり甲丙戊庚壬
の場合が逆行になります。
大運開始年齢=X歳運の出し方
生まれた時刻をB、節入り時刻をS1、次の節入り時刻をS2とします。
順行の場合
B<S2の場合、誕生日自体を2日と数え、次の節入り当日まで何日あるか数えます。なぜ誕生日を2日と数えるか図で説明します。
下図においてS2からNext S2の間の黄色い部分はちょうど1日あり、これがいくつ入っているかをカウントするわけですがB<S2の場合は空色の部分が余計になります。これも一日とカウントするので誕生日を2日と数えるわけですね。
S2<Bの場合は誕生日自体を1と数える以外はB<S2の場合と同じです。誕生日が1日と数えられる理由は誕生時刻が節入り時刻より後なので先ほど考えた半端な時間がないからです。
そしてその値を3で割って小数点繰り上げした値がXの値です。3で割るのでS2<Bの場合の日数(日数が少ない方)がちょうど3の倍数になるときB<S2の場合(日数が1日多い方)と差が出るわけです。
具体例を見てみましょう。
ある年の8月18日に生まれた人がいるとします。8月の節入り時刻S1は(8月8日の)15時00分、9月の節入り時刻S2は(9月8日の)4時00分だとします。
順行なのでS2(次の節入り時刻)と誕生時刻Bの関係を見ます。
B<S2だとすると8月18日から9月8日までは20日ありますが誕生日当日を2日と数えるので21日ありそれを3で割るとちょうど7で7歳運となります。
S2<Bだとすると誕生日当日も一日とカウントするので20日となり、それを3で割ると6.66となるので小数点繰り上げした値7を採用してこちらも7歳運です。
一方、8月17日生まれの人の場合、B<S2、S2<Bのカウントする日数は順に22日、21日となりそれぞれ8歳運と7歳運のようにずれが生じます。8月19日だとそれぞれ20日、19日となりいずれも7歳運ですね。
逆行の場合
順行の場合との違いはターゲットが次節なのか当節なのかの違いです。
B<S1の場合、誕生日自体を1と数え、節入り当日まで何日あるか数えます。S1<Bの場合は誕生日自体を2と数える以外はB<S1の場合と同じです。
そしてその値を3で割って小数点繰り上げした値がXの値です。
B<S1の場合はS1<Bよりカウントされる日が一日少なくなります。よってB<S1の場合の日数が3の倍数のとき、S1<BのケースはXが1大きくなります。
こちらでも具体例を見てみましょう。
条件は順逆だけが異なるだけで他は同じとします。つまり誕生日は8月18日です。節入り日時も順行で示したものを採ります。
逆行なのでS1(当節の節入り時刻)と誕生時刻Bの関係を見ます。
B<S1、S1<Bのそれぞれでカウントされる日数は順に9日と10日になり、前者では3歳運、後者では4歳運となります。
同じく8月17日生まれの人を調べてみるとそれぞれのカウントされる日数は8日と9日になり、どちらも3歳運となります。8月19日だとそれぞれ10日と11日になりいずれも4歳運となります。
特殊な例:誕生日が節入り当日の場合
順行でも逆行でも誕生時刻が節入り時刻より1秒でも前であれば、月干支は前月のものを採用します。生まれたときにはまだその節には入っていないわけですから当然ですね。
その上で順行なら1歳運、逆行なら10歳運となります。それぞれ最短、最長の時間差ですからまともに計算してもそうなります。
ちなみに10を超えた場合は10歳運とすると言うルールもありますので11歳運というのはないのです。
誕生時刻が節入り時刻より後の場合、順行なら10歳運、逆行なら1歳運となります。こちらもそれぞれ最長、最短の時間差ですからこうなります。
この特殊な例が示してくれるのは1秒だけしか含まないにしても日付が異なるものや節入り時刻から前後する半端な時間域が含まれていたらそれを「1日」とカウントすべきということです。そうしないと1から10歳運というものにすべての人を矛盾なく当てはめることができなくなります。
まとめ
全部をまとめると次のような表になります。表中[]の記号は中身の数字を超えない最大の整数を意味します。
順逆 | 誕生時刻 | 誕生日が節入り当日 | それ以外の誕生日 |
順行 | 節入り時刻より前 | 1歳運 | 次節入りー誕生日の日数Dが3の倍数ならD/3+1歳運、そうでなければ[D/3]歳運 |
順行 | 節入り時刻より後 | 10歳運 | 次節入りー誕生日の日数Dが3の倍数ならD/3歳運、そうでなければ[D/3]歳運 |
逆行 | 節入り時刻より前 | 10歳運 | 誕生日ー節入りの日数Dが3の倍数ならD/3歳運、そうでなければ[D/3]歳運 |
逆行 | 節入り時刻より後 | 1歳運 | 誕生日ー節入りの日数Dが3の倍数ならD/3+1歳運、そうでなければ[D/3]歳運 |
何歳運になるかは大運を見る上で大きな違いです。
運気の切り替わりが本当のものと一年ずれることによって本当には切り替わっていないのに切り替わったとしたり、逆に切り替わっているのに切り替わっていないとしたりして無理な解釈をする事になります。
特に天中殺のような切り替わりが重要な意味を持つ占いを実施する上でこのずれは致命的です。
そういったずれを軽視していては全体の占いに不整合が山積していって全体として破綻してしまうことも考えられます。
本当に安心できる占いとは内部矛盾を含まないものではないでしょうか?
陽占と並んでこちらも頭に入れておく必要のある要素ですね。