算命学 vs 四柱推命
しばしば比較される算命学と四柱推命です。よくある理屈として「四柱推命の方が時間まで考慮するので正確だ」というものがあります。
どちらも人間の運命と言ったかなり壮大なものを年月日の天干地支6つないしはそれに時間の天干地支2つを加え8つのパラメーターで表してしまおうという野心的な試みです。
理系的に言えば「カーブフィッティング=近似」等と呼ばれる世界です。
カーブフィッティングの場合、次数(パラメーター数に対応します)が高ければ高いほど良い近似になるのか、というとそうでもありません。
決められた数のパラメーターに対してパラメーターごとの係数を決めていって近似式をだすのですが、その係数の決め方がプアだといくら次数を上げてもプアな近似にしかなりません。逆に上手く係数を決めれば、少ないパラメーターの方が良い近似になる事もあります。
そのため、それぞれの占いの創始者から現在に至るまで「係数決定」に当たる部分を綿々と改良してきたのが現在の算命学であり、四柱推命だと思われます。
蔵干の深浅一つ取っても算命学の場合と四柱推命の各派とで違いがあります。これはそれぞれのパラメーター数に応じて「係数」を最適化していった結果の表れだと思います。
命式から星を求める方法の数について
カーブフィッティングを行って6つないしは8つのパラメーターで人間を表すことにしたら、次は命式に対する星を求めますね。それはどちらも同じです。算命学では陽占と言いますね。
命式(六十花甲子)から星を求める場合の数、パターン数はそれぞれ何通りあるかというと
- 算命学の場合
十大主星を5つ、十二大従星を3つ求めます。それぞれは独立に決まるので表せるパターン数は
12x12x12x10x10x10x10x10 = 172800000 (1億7280万) 通り - 四柱推命の場合
日干を除いた7つの干支にそれぞれ10種類ある通変星を置き、こちらもそれぞれ独立なので表せるパターン数は
10の7乗 (1千万) 通り
のようになります。それぞれ命式からどんな情報を引き出すかが異なるので一概には言えませんが算命学の方が命式から引き出す情報量は多いと言うことになりそうです。
ちなみに年運、大運などはほぼ共通しているようです。
結論
理系的に考えれば、算命学も四柱推命もそれぞれのパラメーター数に応じた係数決定法を工夫しており、どちらかが優れていると言うことはないと思われます。別の近似体系だと言うことです。
そもそも人間を6つや8つのパラメーターで議論でき、それが「宇宙と人間とが一つである」という思想に裏打ちされたものだというのは驚異的なことだと思います。
節入り時刻は考慮する必要があるものの誕生時刻に独立したパラメーターを設けない、しかし情報採取は細かなメッシュで行う算命学。
時柱という誕生時刻に一つのパラメーターを設けるものの荒いメッシュで情報採取をする四柱推命。
以上から「四柱推命の方が時間まで考慮するので正確だ」というのは単なる都市伝説でしょう。
それぞれ自分の占いに自信を持ってやればよろしいのではないでしょうか。