天文学の話題

投稿者: | 2018年8月21日

春分の日などの二十四節気について

ここで少し天文学の話をします。

三国志演義の中で諸葛孔明が星を読んで戦略を練るという場面が見られます。算命学に限らず、中国系の星占いには立春などの二十四節気を利用するものが多いです。

日本でも昔は二十四節気を基準にして暦を定めていましたが、暦を定めるのは支配者の特権でした。

二十四節気は太陽の視黄経が特定の角度になる瞬間と定められています。立春が315°、春分が0°、夏至90°などのように15°おきに決まっています。

これが正しく定められないことには「正しい暦」とはなりません。特に昔は農業を中心にした社会ですから暦の正しさは死活問題でした。

それを計算するために天文観測を行っていつ太陽の視黄経が0°になるか等を調査してきたわけです。ご存じの通り、地球は太陽の周りを365日ちょうどで回っているわけではありません。しかも地球と太陽以外の天体の影響もあって毎年全く同じように回るわけでもありません。従って毎年毎年二十四節気の日付と時刻は変わってきます。

算命学や四柱推命のような占いは宇宙と人とが一つであるという考え方に基づいていますから本来は天文学と切り離して考える事はできません。特に算命学では節入りの考え方が重要です。蔵干を決めるのに節入りから何日目か、という数字を利用するからです。算命学では命式作成のために蔵干が極めて重要な働きをしています。

算命学では生年月日を利用して占いを行いますが、実際には節入り時刻と比べて前の時間に生まれたか、あとに生まれたかで「何日目」という値が変わってくるため命式が変化する人が少なくありません。

つまり生年月日だけに頼っていると間違った命式を得てしまう可能性があります。近いうちに具体例を挙げます。

節入り時刻は実際の観測に基づいて求めるしかないのですが、現代では物理学の進歩によってこれまでの観測値を基準にして数百年くらいなら「予測」できるようになっています。

天体の位置と運動の予測値を作成、公開しているのがアメリカ航空宇宙局のジェット推進研究所です。人工衛星や各種探査機を打ち上げて目的を達成するために必須な情報なのです。天体暦(Ephemerides)と言うものでhttps://ssd.jpl.nasa.gov/?ephemerides において公開されています。

もし算命学を作った先人たちが現代に甦ったら、必ず参考にしたと思われるデータです。算命学も本来の姿に立ち帰るなら、こういったデータを反映させることが大切だと思います。

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